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聴く力を鍛えたらコミュニケーションが円滑になるという考察(えだブロ4)

聴く力を鍛えたらコミュニケーションが円滑になるという考察(えだブロ4)

想起練習(検索練習)を極めて学習効率を上げていこう 後編(えだブロ3)

みなさんこんにちは。PJ SFA学科主任の江田です。今年もどうぞよろしくお願いします。

コミュニケーション力が大事です。なんて話は皆さん耳に胼胝ができるほど聞いてきたと思います。

でもコミュニケーション力って一体なんなんでしょうね。人といっぱい話せること?すぐに友達になれること?恋人がすぐできそうなイメージ?
コミュニケーションってよく使われる言葉のわりに結構漠然とした認識している人が多いと思うのです。

そこで今回はコミュニケーションについて自分なりに深掘りして考えてみました。

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人間の脳が関わることだからコミュニケーションは単純ではない

コミュニケーションに関しては昨今話し方にフォーカスした記事や本なんかがたくさん出ていて目立ちますよね。確かに話し方ひとつで印象は変わるし、分かりやすさにも影響があるのは分かります。忙しい時に遠回りな言い方されても困るし、子供相手に難しい言葉連発しても伝わりませんから。
ただ、コミュニケーションって聴く力の方が大切だと思いませんか?

ネット界隈で「すきあらば自分語り」なんて揶揄されるのは、多くの人が「話してばっかの人って煙たいよな」と感じているからではないかと推測されます。
話せる能力はそれは尊敬に値しますが、みんな話す力ばっかり鍛えて「みんなが話しっぱなし」な世の中になってしまったらそれは大変息苦しいような。

また、話し手に「分かりやすさ」だけを求める風潮にも若干の違和感を覚えます。というのは大抵の話は難しい物だからです。専門的な内容になればますますその傾向は高まります。
例えば私がよく取り扱う心理学も、人の心や考えや行動を研究対象とするので、簡単なことと思われがちです。しかし、人の心も考えも行動も脳が関わっていることなので、本来非常に複雑なのです。何せ脳のことは宇宙よりも分かっていないとされています。
その複雑なものを簡単に話すとなると、どうしても大切な部分を切り落とさないといけなくなります。人の行動など、脳の反応は非常にランダム性が強いため傾向としてしか観測できないことが多く、どうしても統計学的な考察も必要になってしまうのですが、簡単に話すとなるとどうしてもそこは切り落とす必要が出てくるのです。また科学的な話になると、プロセスが大切になるのですがそこもほとんどの人に通じないので、結論だけになることが多くなる。そうやって大切なものを削いで落としてを繰り返していくと残ったものはとてもシンプルですが、誤解も多くなってしまいます。
似非科学なんかが典型例です。水素は体に良い!という結論だけが跋扈してしまうとそれが誤解を生み、水素水が健康に良い!水素カプセル飲まなきゃ!と検証されていない話に飛びついてしまう人が増えて、それは社会的に損失だろうと思うわけです。

人間の「話を聞いてもらいたい」という欲求を満たしてあげる

そもそも私ちは自分の話を他人に聞いてもらいたい!という欲求を抱えています。

当たり前ですが、あなたの話は価値がないので聴く時間が無駄、なんて思われたら傷つきますよね。
趣味や一部のジャンルに詳しい人たちの中には、一見コミュニケーションが好きではなさそうに見えて、好きな話題になるとマシンガンのように早口喋り倒すって人いますよね?あれはやはり自分の話を聞いてもらえるチャンスが回ってきてめちゃくちゃ嬉しがっているからだと思うんですよ。
なぜ分かるかって?自分も普段無口なくせに自分の好きな話題が始まると話が止まらなくなるタイプだからです(笑)

というわけで以上のことを考えると聴く力を鍛えた方が

  • 話してばかりの人が減って静かになる
  • 難しいことを難しいまま理解しようとする人が増え、誤解が減る
  • 聴き上手の人がいてくれて、話したい時にみんな幸せになれる

 と、良いことがたくさんあるように思います。

「人は話し方が9割」の著者さんが「人は聞き方が9割」という本を出しているらしいので、ぜひ具体的な聴き方の参考にしてみてもよろしいのではないかと思います。

相手と抽象度を合わせる

余談ですが、中高生から知識人までお付き合いがあると、個人的に一番困るのは抽象度を合わせるということです。

抽象度が低い人と話すときはどうしても具体的で足元の現象についての話題(ゲームの話、流行りの話、芸能界の話、金儲けの話)になりがちで、抽象度の高い人と話すときは具体性がやや薄い目線の高い話(社会問題、哲学、倫理、科学などの話題)になりがちです。
この抽象度の調整に失敗するとたちまち会話がギクシャクしてしまいます。

抽象度の高い人が低い人に合わせるのは、好き嫌いは置いておけば自分が相手に合わせてレベルを調整するだけなのでなんとか可能ですが、抽象度の低い人が突然高い人に合わせるのは結構大変なものです。
あまり好ましくない言い方かもしれませんが、所謂上流階級の人たちといわれる人たちの中には抽象度の高い話題を好む人が多い印象を受けます。特に大きな会社や政治を動かすには、目の前の問題だけに終始しているわけにはいかないからです。
そういう人たちとコミュニケーションをするためのパスとして、抽象度の高い話題の収集に励んでみるのも良いかもしれませんね。

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