3,私立大学パイロット養成コースに進学
(難易度★★ 費用★★★ 人気★★★)
パイロットになる方法3つ目は、私大パイロット養成コースに進学する方法だ。
パイロット不足が問題視されるようになった2000年代初頭、ANAが従来の自社養成と航空大学校という採用ソースに加えて、私立大学でのパイロット養成を計画し、東海大学が名乗りを上げたのが、私大パイロットコースの始まりである。
2006年に東海大学が工学部航空宇宙学科に航空操縦学専攻を開設。2008年には、桜美林大学がビジネスマネジメント学群アビエーションマネジメント学類にフライト・オペレーションコースを開設。同じく2008年、法政大学は、理工学部機械工学科に航空操縦学専修を開設。同じく2008年、崇城大学は、工学部宇宙航空システム工学科に航空操縦学専攻を開設した。
各大学とも、若干のばらつきはあるものの、順調にパイロットを排出してきている。各大学ともに、ANA、JALはもちろん、ANAウィングス、日本エアコミューター、トランスオーシャンなど大手の子会社航空会社や、スカイマーク、エアドゥ、ソラシド、IBEX、フジドリームなど新興航空会社、さらに、ピーチ、ジェットスター、バニラなどLCCへも就職させてきており、パイロット採用ソースとして無くてはならない存在と認識されるようになってきた。
重要なのは大学選び
各大学ともに特色があり、それぞれにメリット・デメリットがはっきりとしてきた。
シアトルフライトアカデミーでは、就職が決まらない各大学の訓練生達の受け入れ・指導を行い、それぞれの教官方と連携を取ってきた。また主要航空会社の採用担当者からも、各大学からの訓練生に対する評価を聞いてきた。
その内容をここで書くわけにはいかないが、就職実績が良い大学は、航空会社の評価が高いとは限らない、ということだけお伝えしたい。大学選びはどうか慎重になさっていただきたい。
学費+必要経費+生活費で2200万円
各校に国内訓練・海外訓練や、自前の訓練施設利用・訓練を他社に委託、など特色があり、学費も1500万円~2600万円とばらつきがあるように見えるが、学費の中に必要経費が含まれておらず、後で請求されるといった事例が一部大学に起きたため、事前の説明会では十分に気をつけていただきたい。特に海外訓練や、訓練先が委託である場合、思わぬ追加費用がかかったり、エリミネート率(訓練中止)も増加するので注意が必要だ。生活費については学費に含まれていないが、国内訓練の方が安くなることが多い。従って、学費+含まれていない必要経費+生活費を合わせると、東海大学・桜美林大学・崇城大学の3校は約2200万円となり、ほぼ横並びだ。法政大学のみ約3200万円と高額である。
人気が集まる 手厚い奨学金制度
学費がこれだけ高いのが受験生やそのご家庭にとって大きなハードルとなるのだが、各大学とも手厚い奨学金制度を用意しているのと、JALは、各大学訓練生の希望者(最大30名)を対象に、パイロット奨学給付金制度「日本の翼育英奨学金」を、一人当たり500万円支給している。これらは返済の必要の無い奨学金でもあり、受験生にとって朗報である。
また返済型奨学金でも、現在準備段階なのが、国土交通省航空局(JCABという)が主導して検討を重ねている奨学金制度は、1000万円の貸付(金利負担ゼロで返済は8年後から開始)という、パイロット人生に過度な負担をかけない工夫がされる見込みだ。
こうした奨学金を組み合わせれば、ご家庭への負担もだいぶ軽減され、私大パイロット養成コースの敷居もだいぶ低くなったと言えるであろう。

学費の説明(3つ目の項目)の最後の方に必要経費や生活費を含めた、だいたいの学費が書かれていますが、法政大学と東海大学が逆になっていませんか?
コメントを頂きましてありがとうございます!
ご指摘の箇所を確認してみましたが修正点は特に見つかりませんでした。
法政大学が記述されている金額よりも安い、もしくは東海大学が記述されている金額より高い、といった情報は今のところ入ってはおりませんが、現時点で在籍されている学生にも聞き取り調査をしてみて、訂正がある時は改めてお返事をさせていただきます。ご指摘ありがとうございました!