2,航空大学校に進学
(難易度★★★★ 費用★★ 人気★★)
自社養成採用試験に次いで人気のあるのが航空大学校進学。航空大学校の詳しい出願要件は、航空大学校のホームページを参照していただきたいが、基本的には四年制大学に二年以上在籍し62単位以上を取得した者か、短大または高等専門学校を卒業した者などが対象となっている。
航空大学校の受験生の多くは大学生であるため、大学4年生にて自社養成採用試験を受験できることから、必然的に自社養成と掛け持ちで航空大学校も受験している方が多い。
意外と高くつく航大進学
国交省が発表した資料(我が国における乗員等に係る現状・課題 平成25年11月18日)や、航大の事業報告書を読むと、航大では訓練費のうち国が約3分の2を負担。学生本人と、その学生を採用する航空会社が残りを受益者負担している。
また、ほとんどの学生が大学を卒業して航空大学校に進学するため、大学4年間の学費・生活費に加えて、航空大学校の訓練費と諸経費と3〜4年間(待機期間含)の生活費などもかかってくる。
私大(理系の学部)を経由した場合では、7〜8年間でだいたい総額2300万円となり、一発合格の可能性が約12%と低くリスクが伴う割には、後述の私大パイロット養成コース進学と差があまりないどころか、航空会社入社が2年遅れ、給与を2年分受け取れないことになるため、実はそれほどお得ではない方法とも言える。
定員を増やす予定 それでも高い倍率
募集人数はかつては年間72名だったが、108名と大幅に増大した。
しかし、合格倍率は7倍~9倍(合格率約12%)と狭き門である事は変わりない。
また、問題は航空大学校を出てからの採用者数である。
日本航空協会発刊の「数字でみる航空2019」(P.123)出身別主要航空会社操縦士供給表によると、航大生の新卒採用はここ数年50名前後で推移しており、定員(72名)に近いパイロットが誕生してはいるが、景気に左右されることから、採用数が激減する年(例 H23年度は12名)もあり、特にコロナ禍の爪痕が残るこれからの数年間は厳しい(供給過多となる)ものと思われる。
受験のリスク
航空大学校を目指される場合の注意点は、他の方法と違って、学科試験の準備に特に力を入れなければならないことだ。
本来、パイロットの仕事と受験勉強にあまり関連性はないのだが、航空大学校では高倍率の中から公平に選抜を行う必要性からか、センター試験レベルの問題を、英語、一般常識、航空常識、地学、物理などの範囲から出題してくる。
点数配分としては、理系学生にやや有利となっているのも特徴だ。また、身体検査について、後ほど詳しく説明するが、航空大学校はとても厳しい検査となっている。
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